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終了 脱石油の医薬品製造で、地球温暖化対策に貢献する !

月額支援型 academist Prize 2nd 採択

坂本 良太

東京農工大学、博士後期課程2年

挑戦期間

2022/11/01 - 2023/08/31

最終活動報告

2023/08/20 17:15:50

活動報告

11回

サポーター

26人

経過時間

2022/11/01 10:00:00

挑戦者の自己紹介

坂本 良太

東京農工大学大学院工学府生命工学専攻 博士後期課程2年。専門は有機合成化学。埼玉県出身。1995年12月15日生まれ。2014年埼玉県立浦和高等学校卒業。2019年東京農工大学工学部生命工学専攻 卒業。2021年東京農工大学工学府産業技術専攻(専門職学位課程)卒業。学部卒業後から、医薬品合成研究に従事してきました。修士課程では、研究活動のみでなく財務会計、マーケティング、企業経営といった技術経営を学びました。現在は、化学の力で健康で平和な世界を築くというミッションを定め、日々奮闘しています。2022年3月、アントレプレナーチャレンジ ピッチコンテスト(学内ビジネスコンテスト) 学長賞を受賞。

あなたが研究を通して成し遂げたいことはなんですか?

病院の治療薬をはじめ、薬局、ドラックストアで販売されている医薬品の大半は石油を原料に作られています。さらに、原料となる石油から多段階の工程をかけて、大量の化学薬品(石油が原料)を使用することで製造されています。すなわち、医薬品製造は石油に大きく依存した産業であると言えます。そのため、SDGs、カーボンニュートラルの実現を目指す今世の中において、「脱石油の医薬品製造プロセスの開発」が求められています。しかし現状、医薬品製造過程におけるCO2排出量は一定のままであり、さらに医薬品業界の地球温暖化に対する長期的な視点は最下位となのです。また、製薬業界は依然、医薬品の生産第一主義であり、環境に低負荷な医薬品製造の具体的な取り組みを行なっていないのです。

このままでいいのでしょうか。私たちの未来、次の世代の子のためにも私達は努力しなければいけないのではないでしょうか。そこで創薬研究に従事する私は、自身の研究を通して「脱石油の医薬品製造プロセス」を開発し、持続可能な社会の発展に貢献したいと考えています。

どのようなプロセスで実現しようとしていますか?

私は東京農工大学工学府生命工学専攻で医薬品製造の技術、製造プロセスについて学んできました。その過程で、医薬品製造産業は大量の石油資源に依存した産業であることに気づきました。私はこの先の未来、石油を用いずに医薬品を製造する必要があると考え、生物由来酵素であるCYP(Cytochrome P450)を用いた脱石油の医薬品製造プロセスを開発することとしました。本手法は「天然から得られる原料」と「生物由来酵素であるCYP」の2つの要素を組み合わせた脱石油の医薬品製造プロセスです。また、生物由来酵素CYPの設計の際、計算化学による手法を組み込むことでより効率的にCYPの活性を向上させることを可能にし、CYPの医薬品製造への応用を実現します。

本事業は既存の医薬品製造法を大きく転換させる技術であるため、医薬品製造産業に革命的革新を与えます。また、脱石油の医薬品製造は現在直面している地球温暖化への対策及び、解決の一手となり得ます。

現在取り組んでいる研究課題はなんですか?

超高齢化社会を迎える我が国において需要が高い骨粗鬆症薬(エルデカルシトール)の脱石油製造プロセス開発をしています。エルデカルシトールは、石油を原料に27工程もの段階を経て工業的に製造されています。一方で、我々の手法である生物由来酵素CYPを用いた場合、赤矢印部位の選択的修飾が可能なことから、4工程で製造が可能です。さらに、製造コストも大幅に削減可能です。

現在は、最終2工程の変換を行うために日々奮闘しています。具体的には、CYPライブラリーを用いたスクリーニングを実施することで所望の位置を修飾可能なCYPを探索します。修飾可能なCYPを見い出せた後、計算化学を用いたドッキング法によるバーチャルスクリーニング、及び、タンパク質構造予測の人工知能プログラムであるAlphaFoldを用いて、目的の修飾位置をより効率的に修飾できるようCYPの構造を改変し、最適化をします。

上記過程を実施することで、エルデカルシトールの脱石油製造プロセスの開発を目指します。

なぜacademistに挑戦していますか?

私は、化学の力で健康で平和な世界を築くというミッションのもと、日々研究をしています。このミッションの第一段階として、脱石油の医薬品製造プロセス開発研究をしています。本研究を達成できましたら、本研究成果の社会実装を目的に会社を設立する予定です。そのために、academistでの支援金は起業時の資金、および研究開発費用として使用することを考えています。

活動報告では、私の研究進捗報告はもちろん、研究に対する思いについても書かせていただけたらと思います。また、具体的な手段は決まっていませんが、活動報告以外のリターンも実施したいと考えています。

最後に、月額支援型クラウドファンディングを通して、私の研究内容、研究に対する理念を皆様と共有できましたら幸いです。そして、同じ思いをもつ仲間ができましたらと思います。

推薦者コメント

長澤和夫
東京農工大学 教授

坂本良太氏は4年時に私の研究室に配属され、有機合成に関する研究で素晴らしい研究成果を積み重ね、現在博士課程に在籍しています。

同氏は、修士課程で技術経営を専門とする産業技術専攻に進学し、有機合成化学の観点から社会課題に対する解決を真剣に考えるようになり、今回の提案に至っております。

環境に配慮したものづくりが求められる中で同氏の提案は極めて有効な解決になります。是非とも同氏への支援をお願いいたします。

小田木陽
東京農工大学 助教

医薬品製造は、大量の石油資源に依存しています。そのため、カーボンニュートラルの実現を目指す世の中において、坂本さんが研究する「脱石油の医薬品製造」の開発は、地球が抱える社会問題の解決に合致しています。私は、坂本さんの行動力、高度な実験スキル、ユニークなアイデアでこの問題を解決できると信じています。また、坂本さんはグロースポテンシャルがとても高く今後さらなる活躍が期待できる人物です。応援よろしくお願いします。

研究計画

時期 計画
2022年11月 月額支援型クラウドファンディング開始
2022年11月 CYPスクリーニング実験開始
2022年11月 国際論文執筆
2022年12月 国際論文投稿
2023年2月 CYP構造の最適化実験開始(目標)
2023年3月 博士論文審査申請
2023年5月 博士論文審査
2023年6月 東京農工大学大学院工学府博士後期課程 修了予定 
2023年10月 高活性CYPの取得(目標)
2023年11月 「脱石油の医薬品製造」会社 設立(目標)
2023年11月 月額支援型クラウドファンディング終了

リターンの説明

330 円/月 (税込)

注目のリターン : 活動報告閲覧権

活動報告閲覧権

募集は終了しています

0人が支援しています。

(数量制限なし)

1,100 円/月 (税込)

注目のリターン : 活動報告閲覧権

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募集は終了しています

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(数量制限なし)

3,300 円/月 (税込)

注目のリターン : 活動報告閲覧権

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